腰痛の治療の1つとして、牽引療法があります。やり方としては大きく分けると2つの方法があり、1つは整形外科や接骨院などで行われる機械による方法です。
この方法を数回試行して、腰痛に効き目があったという場合もありますが、逆に腰痛が悪化してしまったという場合もあり、あまり勧められないという方も多いようです。
また、持続療法という方法もありますが、腰痛の痛みが効果的に無くなる代わりに、断続的に長時間試行する方法です。やり方は、脇のほうから体を固定して、骨盤の部分でベルトで止め、重りや電気仕掛けの機械などを使用して10分程度引っ張ります。
この引っ張る際の負荷については、体重に喩えて約3分の1程度です。例えばヘルニアで椎間板が圧迫を受けていることが確認された場合、椎間関節の間を拡げることができ、その結果痛みが無くなる、というとても単純な発想に基づいた方法です。
椎間板への負担を軽減することができ、また、腰臀部の筋肉の緊張を和らげる効果もあります。その他には、神経根の炎症を沈静化させることで坐骨神経痛による臀部や太股への痛みやしびれなどの改善も期待されます。
特に、下肢への症状が大きい場合に効果があると言われています。逆に効果が無いというケースは、骨粗しょう症の方、炎症がひどい方の場合です。この場合はかえって痛みがひどくなってしまう場合がほとんどです。
牽引の歴史はとても古くて、ヒポクラテスの時代に描かれた絵が残されているほどです。また、1950年から椎間板の治療として流行していたそうです。
機会に使う装置などはとても特殊なタイプで、また色々な種類がありますが、そのどれがどのような腰痛患者さんに適しているのか、ということをよく知らないと、やはり腰痛が悪化してしまう可能性が高くなります。
数回試行してみて駄目だった場合でも、他の装置であれば有効であるという可能性もありますので、医師や理学療法士に相談をしながら試されていくのが良いと思います。