腰椎椎間板ヘルニアの治療において、保存療法や術後のリハビリとして腰痛体操をする場合があります。
保存療法では、急性期にはまず安静にすることが大切ですが、少し経って慢性期に入ると、痛みも和らいできて、ストレッチなどをすることができるようになります。
また逆にこの期間にある程度、体を動かさないと、コルセットなどをした影響で筋肉が衰えたまま治療も長引き、いつまで経っても改善しないことになりかねません。
しかし、ヘルニアの痛みが軽いからといって、あまり激しい体操をすることも逆効果になってしまいますので、適度に鍛える、ということが肝心です。
腹筋を鍛えるために基本的な腹筋運動をしたりせず、徐々に効果を上げていくように心がけることが大切です。
腰椎の感覚を広げ、腰の筋肉を伸ばす効果のある方法として、仰向けに寝た状態で膝を曲げ、その足を両手で抱えるようにして胸のほうへ引き寄せ、10秒程度維持する、というものがあります。
体を元に戻したら万歳する格好でまた10秒程度維持します。この簡単な運動を繰り返すだけで、間隔を広げた腰椎が椎間板にかける負荷を軽減させ、また筋肉をストレッチする効果があります。
ヘルニアにつきものといわれる症状が、坐骨神経痛です。坐骨神経痛では、特に臀部や太股などが痛み、足の筋肉が衰えてしまいます。
この場合、水泳や水中歩行によって効果的に筋力を正常化させることができます。水中では浮力が発生し、腰への負担も軽減されるため、陸上に比べて運動による腰への負荷がかなり軽減されますので、その分他の部位を鍛える効果がアップします。
水中歩行運動をするだけで足の筋肉はより広範囲に鍛えられ、腰の部位にも負担がかからないというメリットがあります。
ヘルニアの体操方法は自宅でできるような簡単なものも多くあります。それらの方法を我慢強く継続することでより早い改善が見込まれます。